中途未経験でコンサルに転職した場合、ほとんどの場合はスタッフクラス(コンサルタント、シニアコンサルタントなど)として入社することになる。
コンサルを数年間の修行期間と捉えて外資系企業やベンチャー役員への転身を考えている人も少なくないとは思うが、ともあれコンサルに入ってきたからには、早く地力をつけ、あわよくばマネージャー昇格を目指すのが1つの指針になるだろう。
私もスタッフクラスで転職してきた身として、中途未経験コンサルが地力をつけていくには、3つのステップがあると考えている。
①1つ目のステップは、作業者として極まること。
つまり、PPT、Excel、議事メモなどのアウトプットをスピーディに出せるようになること。
②2つめのステップは、スタッフとして一人立ちすること。
具体的には2つ。
・自分に割り振られた担当テーマの論点設計、アプローチ設計、答えの仮説まで、とりあえず1パターンで良いから自力で考え出せるようになること
・自力で考えた論点、アプローチ、答えの仮説を叩きに、マネージャーとディスカッションできること(マネージャーと会話が成り立ち、指摘の意味が理解できること)
③3つめのステップは、マネージャーに準ずる役割が果たせる様になること。
具体的には以下の通り。この辺りが安定してできるようになると、マネージャー昇格は固いと思われる。
・論点設計、アプローチ設計、答えの仮説をそれぞれ複数考えられるようになること
・検討を進める中でその都度論点、アプローチを切り替えられるようになること
ステップ①と②の繋がりは飛躍している様に見えるかもしれないが、
アウトプットのスピードを極限まで高める(ステップ①を乗り越える)
→インプット、思考を深める時間ができる(ステップ②③に取り組む準備ができる)
という形で繋がっている。
また、この順番が未経験コンサルのあるべき成長ステップとして個人的にしっくりくる。
比較対象になる様な、できる新卒コンサルタントは例外なく①作業者として極まっており、それを前提としてステップ②③に進んでいる。
中途未経験でありがちなのが、周りの新卒コンサルタントがひたすらすごく見えてしまい、最初からインプットも思考力もアウトプットも手広く強化しようとしてしまうパターン。こうなると全て中途半端になって停滞期間が長引く人が多い印象。
また、色々な方面に闇雲に手を出して量だけこなしていてもいつか必ず息切れする。
なので、まずは①作業者としてアウトプットスピードを極限で高めることにフォーカスして、ステップ②③に進むための土台にさっさと載ることをオススメする。
①すらおぼつかない状態では
作業が遅く、ひたすら作業に追われる→論点や仮説と作業のつながりが抜け落ちる→時間ギリギリでマネージャーに"作業進捗を報告"してしまい、結論は何だ?示唆は何だ?と詰められる→修正"作業"に追われる・・・
といった負のループに入ってしまい、自身の評価を落とすばかりでなく、下手すると心身に異常を来す。
また、インプットも思考力も一朝一夕でどうにかなるものではない一方、アウトプットはだれでもスピードを高めることが可能で、即効性が高い。
更に言うと、案外、中途未経験に限らずそこそこ以下の新卒コンサルタントはスピードが極まってないことも多いので、作業が早くできるようになるだけでも株が上がる場面はざらにある。とにかく、やらない理由がない。
繰り返しになるが改めて。中途未経験コンサルは、最初はとにかくアウトプットのスピードを極限まで高めることを強くお勧めしたい。即効性が高く、インプットや思考に使う時間が生まれる。
ちなみにここまで書いてきて思ったが、前職の経験は少なくともマネージャーになるまでは大して活きることはないな・・