スタートアップにいた頃、社内の雑談で
(チランゴ前職の)商社にはWindows2000おじさんがいるんでしょ?
と聞かれることがありました。
Windows2000とは、閑職で大した仕事もせずに年収2,000万をもらう中高年の社員を指すワード。なかなか痛烈なネーミングです。
当時は特に話も発展しなかったのですが、
振り返ってみると
お金のためにしがみつくお荷物社員はスタートアップにも普通にいました。
ただ、しがみつく先が年収か、ストックオプションかの違いだけだったように思います。
そもそもストックオプションとは何か?というところから話すと
社員が一定期間において一定の価格で勤務先の企業の株式を一定数購入できる権利を指します。
権利を付与された社員は、株価が権利行使価格を上回っている時に株式を取得・売却することで利益を得ることができます。
スタートアップでは、
企業が上場したときに権利を行使→株価が上がっていれば莫大な利益が約束されます。
次に付与の目的ですが、会社が人を引きつけるためというのが一般的です。
スタートアップは一般的に給料が低いですが、
上場した時、このくらいの株価になっていればストックオプションでXX円儲けになるよ!だから将来得られる益のためにがんばって働いて事業に貢献してね!
と、給与の不足を補って余りある金額のニンジンをぶら下げるのですね。
ちなみに皆がストップオプションを貰えるのか?というと、
全てのスタートアップがストックオプションを配っている訳ではないですが、
一般的には早く入社すればするほどもらえる可能性が高まります。
それも創業初期に入社した人ほど、リスクを取った見合いとして多くもらえるケースが多いです。
と、だいぶ前置きが長くなりましたが、ここまでストックオプションそのものと、スタートアップにおける補足を述べてきました。
さてこのストックオプション、厄介なのが、お荷物社員が会社にしがみつく理由にもなります。
前置きの説明でお気づきになった方もいるかと思いますが、
うまく会社が上場すれば数千万、数億円の利益につながるとなれば、お金欲しさに意地でも辞めない社員が出てくるという訳です。
私のいた会社を例に出すと、こんな社員がいました。
- Seed〜シリーズAあたりの、比較的初期の資金調達期に入っているミドル社員
- すでにダメ社員のレッテルが貼られていて、所属は謎の室、仕事は雑用中心
- お酒が入ると「俺は皆より多めにストックオプションもらってるから、上場したらXX億円もらっちゃうよ〜」と吹聴してしまう
ややくどいですが、彼の言動からも分かる通り
初期に入ってきてもらった社員に報いるためストックオプションを(多めに)渡すと、それがお荷物社員が居座る理由になります。
会社にとってはデメリットが大きいですね。
給与分は毎月お金が出ていくわ、
「頑張って上場できたとして、あんな奴がXX億もらえることになるなんて」と他社員のデモチに繋がるわ・・
何か対策は取れないものでしょうか。
次回、対処のために取れるオプションも考えてみたいと思います。
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ちなみに、
ガイアックスの調査によると、スタートアップが上場する確率は7%未満とのこと。
計算式は以下の通り。
- 21年度の新規上場数136社 / 21年度に資金調達をしたスタートアップ数1,919社
分子にはスタートアップとして上場した以外の企業も含まれるため、実際はもっと低いと思われます(元記事でも言及あり)
価値観は人それぞれですが
僅か数%のために会社にしがみつくのは、個人的にはなんだかもったいないと感じてしまいます。