チランゴのキャリア語り

総合商社→AIスタートアップ→外資系コンサルキャリアのアラサーが、転職やスペイン語学習について語ります

大企業から転職で飛び込んだスタートアップを、2年で退職した理由 前編

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私は最初の転職で入ったスタートアップを、2年で去りました。

 

はじめから辞めるつもりで入った訳ではなかったので、心情の変化が起きたことになります。

 

ということで、なぜスタートアップに入って、何を感じて退職にいたったのか、思考の整理も兼ねて振り返っていきます。

 

 

なぜスタートアップに入った?

そもそもスタートアップに転職した理由はなんだったのか。

転職時に考えていたのは2点です。

 

  • 大手ブランドの看板を外して、個のビジネスマンとして成長したかった
  • ビジョンに共感できる組織に身を置きたかった

 

大手ブランドの看板を外して、個のビジネスマンとして成長したかった

商社時代は大組織・大事業の中で、自分が担当する一部分しか見えていませんでした。

 

いわゆる歯車感、閉塞感を感じる中で次第に、

「小さい組織の中に入って、何でもやっていく方が成長角度は大きいんじゃなかろうか?!」

という考えになっていきました。

 

ビジョンに共感できる組織に身を置きたかった

せっかく人生の大部分を働いて過ごすなら、

「こんな未来を実現したい!という人達が集まった組織で働く方が楽しいだろうな~」

という憧れを抱いていました。

 

加えて、ちょうど自分の身の回りの動きも活発化していた時期でした。

近しい先輩同期後輩の多くがMBA、起業、スタートアップ、コンサル、金融転職・・とバンバン外に出ていく中、

 

そんならワシもやってみよ・・っ!

乗るしかない、このビッグウェーブに。PROFILE | 「ビッグウェーブさん」ことBUTCH

 

という感じで、スタートアップに絞って転職活動を開始。

内定をもらった中で、いちばん創業者の思いやビジョンに惹かれた会社に入りました。

 

どんなスタートアップだった?

人事向けSaaSを展開する会社で、私の入社時は4期目、シリーズBで数億の資金調達を終えたところでした。

当時の社員数は20名。辞めるときは80名まで増えていました。

 

担当業務はビジネスサイドで、

セールスマーケ → セールスマネージャー → 事業企画 と3つのポジションを経験しました。

 

実際に入社してみてどうだった?

入社理由ごとに見ていきます。

 

まず、最初の観点

→大手ブランドの看板を外して、個のビジネスマンとして成長したかった

 

これは非常に良かったです。

手広い領域に関わることができ、ビジネスの全体像が生感を持って掴めました。

商社で一担当としてやっていた頃に比べて、事業経営の全体感・勘所を押さえた思考・アクションが取れるようになったのは(まだまだだではありますが)、ここで経験を積めたからかと。

 

もう一つの観点はどうでしょう

→ビジョンに共感できる組織に身を置きたかった

 

ここについては、学んだことがあります。

 

  • ビジョンと実行だけでは飯は食っていけないこと
  • きれいごとと、売上を絶えず伸ばし続けなければいけない実情のバランス

 

この辺りが、とっても重かったです笑

辞めた理由にも繋がるので、もう少し見ていきます。

 

スタートアップ退職に至った理由

他にも絡み合った部分はありますが、

上に少し書いたことが、辞めた主な理由です。

 

  • ビジョンと実行だけで飯は食っていけないと分かったから
  • ビジョンと実行をつなぐ戦略を描く力をつけたいと思ったから

 

1つずつ見ていきましょう。

 

ビジョンと実行だけで飯は食っていけないと分かったから

夢で飯が食えるわけねえわ!

そんなこと本に書いてあるだろっ!

 

と言われそうですが、おっしゃる通り・・

私の場合は経験でようやく分かりました。

 

ビジョン・戦略・実行(事業推進)は三位一体でセットなんですね。

ビジョンと実行だけを繰り返していても早晩限界が来ると、骨身に沁みました。

 

私が在籍していたスタートアップの場合、

 

ビジョン:雄弁に未来を語る、強烈ビジョナリーな社長がいて

戦略:実質不在

実行:ひたすら目の前のことに必死

 

→結果、売上(MRR)はよくて横ばいか、ジリジリ下がっていくという状態が続きました。

 

戦略の部分に書いた、実質不在というところですが、

実行との接続性ある戦略を作り、またそれを以って経営・事業を上向かせられた人・チームはいませんでした。

ポジションとしての社長室や経営企画、事業企画は存在していましたが、数字としての結果は出せなかった、出せる兆しがなかったと思います。

 

戦略なき組織のたどった道

ビジョン。実行。売上未達。

ビジョン注入。もっと行動の量と質を上げよう・・なお売上未達・・

もっと、もっと・・

 

という悪循環を繰り返していると、組織に2つの変化が起こります。

 

疲弊と他者攻撃です。

 

疲弊は言わずもがな。

やってもやっても上手くいかない。

与えられるのは後述の攻撃では、

餌もろくに与えられない、終わりの見えないラットレースです。

 

体調を崩したり、

心が変調をきたして体が言うことをきかないという人が続出しました。

 

そこに追い打ちをかけるのが、他者攻撃です。

 

組織の中で、

どの部署が、誰が無能だの(私も言われました笑)ただの悪口のような責任のなすり付け合いが起こり、

それを広めたり煽る人たちが出現します。

特に、結果指標を追うビジネスサイドへの口撃はすごかった。

 

人の汚い部分が噴出します。個人的には、後者の煽る人たちが本当に醜かった。

 

余裕がなくなってきたからそうなったとも考えられるし、元からそういう人たちが集まってたのかなとも思います。

 

それでまたメンタルを病む人や、パワハラだー!と刺し合って周りもろ共去っていく人たち・・

 

中身はボロボロで、

事業が成長しないと、組織を殺すと知りました。

 

ちなみにスタートアップだったり上手くいかなかった事業経験者と話すと、高確率で「あるある笑」となります。

 

事業と組織を、活かすも殺すも戦略

長くなりましたが、活きた戦略が伴わない事業・組織がどうなるかを嫌というほど経験できたのが、私のスタートアップ人生でした。

 

戦略だけじゃないだろ!という声もあるかと思いますが、

そもそもマーケットのないところでいくら頑張っても芽は出ませんし、私の暫定の結論は戦略です・・

 

ということで、

 

事業推進だけなく、実行と成長につながる戦略を描く力をつけたい

 

その上で改めて、輝くビジョンを持つ人たちの近くで働きたい

という思いで、働く場を移すことにしました。

 

後編では、愚痴交じりでその他の退職理由を列挙しています。よければご覧ください。

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